「組織を変える!チェンジマネジメントの重要ポイント厳選3選!」について書いていきたいと思います。
・新しい変革の説明会したけど、重要なキーパーソンが欠席したけど、どうすればいいかな?
就活している学生の人も、学校時代のクラス替えや転校、大学への進学とか、新しいことへの希望とともに、不安を感じたことがあると思います。
経営コンサルタントとして、企業の戦略を作るとともに、新しい事業や仕事の仕方を支える情報システムや業務プロセスを導入することも重要な仕事です。
しかし、新しい仕事の仕方を受け入れるにはどうしても抵抗があり、中々うまく行かない場合も少なくありません。
その為に必要な取り組みとして、チェンジマネジメントがあります。
企業の新しい姿への変革を支援・推進し、定着させるための取り組みです。
今回は「組織を変える!チェンジマネジメントの重要ポイント厳選3選!」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.チェンジマネジメントって何?
チェンジマネジメントは、企業が新しい事業を立ち上げたり、BPR(Business Process Reengineering)により業務プロセスや組織構造改革を行う際に、組織や社員が変化を受け入れ、企業の変革の成功に向け推進し、変化を定着させるための取り組みを言います。
何故組織は変われないのか?
いきなり新しい取り組みや組織に変わると言われると「何故、今のままではいけないの?」と思いますよね?
聞いたことがあるかもしれませんが、行動経済学で現状維持バイアスというものがあります。
新しい変化や未知のものを避けて現状を維持することを望む心理的な作用を指します。
新しい変化による「安定の損失に対して、現状を維持しようとする作用です。
実際に、人は変化に対していろいろな思いを持っています。
- 何が起きるのか分からないことへの不安
- 既得権益が無くなってしまうことへの不満
- 効果があるのか等新しいやり方への疑問
- 新しい取り組みでの失敗への不安
- リストラされるかもしれないという恐怖感
- 新しい取り組みへの理解の不足
- 新しい環境で若い人に追い越されるのではないかと言う心配 等
何故チェンジマネジメントが必要か?
その変化へに対して、人は様々な抵抗を示します。
積極的に自分の意思を持って、抵抗する場合です。
【積極的な抵抗の例】
◇ 心を開いて正面から質問する
◇ 理由を持ってソリューションに対する反対する
◇ 他のソリューションを採用することを推奨する
◇ 変革の必要性へ問題を提起しチャレンジする
一方で、適当に対応して、消極的に抵抗する場合です。
【消極的な抵抗の例】
◇ ミーティングや教育プログラムに不参しない
◇ 変革の推進からキーパーソンを抜く
◇ 変革とは違う方向へ先導する
◇ 新しい取り組みを無視し、適当にやり過ごす
このような抵抗により、新しい取り組みにより生産性が上がるどころか、低下してしまうことも多いです。
そこで、様々な抵抗を最小化し、変革に向けたモメンタムを最大化させるためにチェンジマネジメントが必要になるのです。
<図 チェンジマネジメントの必要性 イメージ図>
チェンジマネジメントは誰が言い始めたの?
チェンジマネジメントの考え方が出始めたのは、1990年代です。
マイケル・ハマー氏とジェイムズ・チャンピー氏の「リエンジニアリング革命」で、業務プロセス構造改革がブームとなりました。
その後、企業変革の在り方を提唱したのがハーバード大学のジョン・コッター名誉教授で、『企業変革力』『リーダーシップ論』等で紹介しています。
2.「変革の8段階プロセス」って何?
コッター先生は、企業変革の在り方について、以下の8段階のプロセスを提唱しています。
第1段階 緊急課題であるという認識の徹底
第2段階 強力な推進チームの結成
第3段階 5分で話せるビジョンの策定
第4段階 徹底したビジョンの伝達
第5段階 ビジョン実現の障害を取り除く。
第6段階 短期的成果を上げるための計画策定・実行
第7段階 改善成果の定着とさらなる変革の実現
第8段階 新しいアプローチを根づかせる
是非、コッター先生の『企業変革力』『リーダーシップ論』を読んで下さい。
3.チェンジマネジメントのポイント厳選3選!
コッター先生の8つのステップから共通して言えることは何でしょうか?
それは「コミュニケーション」です。
チェンジマネジメントを支えるコミュニケーションにあたり、重要となるポイントを紹介します。
3-1.組織や社員を知る
変革に賛同してくれる人もいれば、先に紹介したように「積極的な抵抗」をする人等「消極的な抵抗」をする人等様々です。
先ずは、変革を導入する対象の組織や社員がどういう考えや能力を持っているのかを知ることから始めます。
<図 変革に対する意識と適応能力のマトリックス>
それぞれの変革への意識や適応能力に応じてコミュニケーションの在り方を検討します。
3-2.的確なコミュニケーションを行う
コミュニケーションは、単なる会話ではなく、大きくは以下の3つのプログラムを組み合わせてコミュニケーション計画を策定し、実行します。
- 啓蒙・意識改革プログラム
- 教育プログラム
- 阻害要因のマネジメントプログラム
啓蒙・意識改革プログラム
変革が必要となっている緊急性や必要性となっている背景を説明したり、変革や新しい仕組みがもたらす効果について理解を推進する等組織や社員の位置づけに応じた啓蒙・意識改革のプログラムを実施します。
教育プログラム
新しい仕組み(業務/システム)についての基礎トレーニングや新しい業務についての具体的な内容についてのトレーニングを行い、新しい仕組みを運用していために必要となる知識・スキルを習得してもらいます。
新しい取り組みや仕組みを段階的に理解してもらうことで、心理的な抵抗を抑えていくことが重要です。
阻害要因のマネジメントプログラム
導入対象の組織や社員の特徴と、抵抗の種類に応じた対応策を検討し、新しい仕組みに対する抵抗を低減していきます。
現場の組織や社員が腹落ちして、新しい仕組みに取り組むことができる土壌を作ることが重要です。
3.3継続して改善する
新しい変革への抵抗は、一度収まってしまえば終わりというものではありません。
組織の大半で新しい業務が定着し、「新しい常態」になるまでに変革のマネジメントは必要となります。
<図 変革マネジメントのサイクルのイメージ図>
4.まとめ
これまで、RPAの導入等を通じて新しい業務への移行や変革を支援したことがあります。
大半の社員の人は効率的になる新しい業務プロセスに好意的ですが、中には「それって意味があるの?」というように抵抗を示す人が皆無という分けではありません。
このようにちょっと斜に構える人を教育をしたり、啓蒙をしたりということを行い、組織や業務プロセスを変えることは中々社内の人だけではできません。
チェンジマネジメントはコンサルタントにとって最も重要な仕事の一つと言えます。
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