
「経営コンサルの必読書厳選5選!【英語で読むコンサルの基本書】」について書いていきたいと思います。

経営コンサルタントの仕事をしていて時々ジレンマを感じる時があります。
経営コンサルタントとしては、新しいことを学ばなければならないことが多いです。
仕事でプロジェクトにアサインされた時等は新しいクライアントのことやクライアントの業務等について学ばなければなりません。
その他にも経営やマネジメントの新しい考え方や理論等も日頃から勉強する必要があります。
そんな時に、もう少し英語ができれば、最新の海外の本が日本語に翻訳されるのを待たなくてもいち早く勉強できるのになあと思っています。
インターネットで比較的短い論文等を読むくらいであれば何とかなるのですが、本1冊となると読み切るにはスキルと時間が必要です。
そこで、時々英語の原書を少しずつ読むようにしました。
中々遅々として進まないこともあるのですが、英語の勉強もかねて続けています。
慣れてくると段々と読むスピードも速くなり、英語の勉強ということも含めて一石二鳥です。
今回は「経営コンサルの必読書厳選5選!【英語で読むコンサルの基本書】」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.初心者向け英語版コンサル基本書の読み方
先ほど紹介したように、私も英語がそれほど得意というわけではありません。
そこで、英語があまり得意でない方向けになりますが、私なりに行っている読書法が以下になります。
- 日本語の本を読む
- 英語の原書を流し読む
- 改めて原書を読む
- 音声を聞きながら読む
それぞれ詳細をみていきましょう。
1.日本語の本を読む
目標は英語の原書をいち早く先取りすることですが、まずここでは勉強も兼ねた読書法として、日本語を読むところから始めます。
今回、紹介する本であれば、内容的にも比較的分かりやすい本が多いので、あまり苦労なく読めるかと思います。
普通に1回流し読む程度で良いと思います。
ただし、難しい概念や新しい概念のビジネス書等は、次のステップに向けては1行1行をきちんと理解して読む必要があります。
2.英語の原書を流し読む
日本語の内容をざっと理解した上で英語の原書を読みます。
初めのうちは慣れないかもしれませんが、段々と慣れてくると、日本語で読んでいるせいか、英語の原書を読んでも少し理解ができるようになります。
また、知らない単語も分からないからと言って片っ端から調べていると、中々文章としての意味も理解しづらくなります。
そこで、多少見たことが無くても日本語の本を読んだ印象から文章の意味が分かるような場合はあえて辞書は引かないことをお勧めします。
3.改めて原書を読む
先の流し読みで意味も大体分かったと思いますので、改めて英語に集中して読んでみてください。
英語の授業でいやいや勉強していた時は、長文問題等文章の意味があまり頭に入りませんでしたが、試してみると「英語だけを読んでも結構理解できるな」と感じてもらえるのではないかと思います。
まずは1冊で良いので、是非試してみてください。
4.音声を聞きながら読む
私はKindleも利用します。
Kindleの電子書籍を買う時に気を付けているのが、「Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能)」が有効になっている本を購入します。
「Text-to-Speech」が有効な本だと、Kindleが文章を読み上げてくれるので、読んでいる音声を聞きながら、本を読んでいきます。
音声の読み上げ速度も変えらるので、自分が聴き取りやすいスピードで試してみてください。
※英語の勉強法は、以下の記事も是非読んでください。
2.英語で読むコンサルの基本書 厳選5選!
実際の本の雰囲気を見てもらって、「図とかもあるし、英語の本も比較的分かりやすいかも」って思ってもらえればと思い、実際の本の写真を入れてみました。
(実際の本の写真のため、少しページが歪んでいたりするところはお許しください)
Rasielの『The McKinsey Way』
正式な本のタイトルは、『The McKinsey Way: Using the Techniques of the World’s Top Strategic Consultants to Help You and Your Business』とちょっと長めです。
日本語版はイーサン・M.ラジエルさんが書かれた『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』という名前で出版されています。
<Rasielの『The McKinsey Way』より>
マッキンゼーでの実際のコンサルタントの人の働き方を通じて、経営コンサルタントの基本を学ぶことができます。
MECEだとかIssue Treeとか、基本的な用語やテクニックを勉強することができるので、駆け出しコンサルタントに打って付けの本でした。
McKinseyの『Strategic Storytelling』
こちらは、大変申し訳ないのですが、日本語版が出版されていない本です。
正式名称は『Strategic Storytelling: How to Create Persuasive Business Presentations』です。
McKinseyの『Strategic Storytelling』より>
日本語版が無いのですが、Kindle版ですと0円とお金がかかりません。
米国のUSPS(アメリカ合衆国郵便公社)をケーススタディに、MckinseyやBCG、Accentureがどのようなプレゼンテーションを作成するかを具体的な多数のPowerPointのプレゼンテーションで紹介しているので、とても参考になります。
先の3社のコンサルタントが作るプレゼンテーションのイメージや、プレゼンテーションの作り方を詳細に知りたいという方は是非読んでみてください。
英語の本文を読まなくても、PowerPointのプレゼンテーションを見るだけでも大変参考になります。
Gerstner Jr.の『Who Says Elephants Can’t Dance?』
ルイス・V・ガースナーさんが書かれた『巨象も踊る』で、日本経済新聞出版から出版されています。
正式なタイトルは『Who Says Elephants Can’t Dance?: Inside IBM’s Historic Turnaround』になります。
<Gerstner Jr.の『Who Says Elephants Can’t Dance?』より>
正式タイトルでお分かりのように、IBMの歴史的な事業再生の物語です。
もともとMckinseyのコンサルタントだったガースナーさんが、アメリカン・エキスプレス会長兼最高経営責任者(CEO)やRJRナビスコ会長兼最高経営責任者(CEO)の後に苦境に陥ったIBMに移り、会長兼CEOとしてIBMを復活させるストーリーを自ら著したものです。
その点で、ガースナーさんはアメリカを代表とする経営者の一人と言っても過言ではないですね。
IBMの復活に向けて、実行力とリーダーシップの重要性を本の中で説かれています。
単に、机上の理論ではなく、企業を再生の醍醐味を生で感じることができる本としてお勧めします。
Goldrattの『The Goal』
日本語版は、エリヤフ・ゴールドラット博士の『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』になります。
正式名称は『The Goal: A Process of Ongoing Improvement』で、オリジナルの副題は日本語の副題とちょっと異なります。
<Goldrattの『The Goal』より>
著者のゴールドラット博士は物理学者ですが、在庫を多く抱え採算が悪化する工場の立て直しについて、企業小説としてこの本を書かれています。
工場の立て直しの中心となるのが「制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints)」です。
TOCを適用し、工場の生産性を改善させる物語ですが、TOCについて、ドラムとバッファーとロープの3つを用いて生産スケジュールの最適化について説明されており、英語でもとても理解しやすいです。
当時の日本の企業の競争力が高かったことから、出版以来約15年間日本語訳の出版をゴールドラットさんが許さなかったことからも話題になった本です。
Mintoの『Pyramid Principle』
日本語版は『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』でダイヤモンド社から出版されています。
英語のタイトルは『The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking』で、『ザ・ゴール』もこちらの本も英語の副題の方が本の内容を正確に表現していますね。
<図 Mintoの『Pyramid Principle』>
こちらはコンサルティング業界の人であれば、一度は読むように推奨される本です。
文章の作成の仕方をピラミッドの構造に例えて、書きたいメッセージをピラミッドの頂点に置き、そのキーメッセージや書きたい要素をピラミッドの下の階層に展開していくという考え方で説明しています。
様々な形態の報告書や資料を作成する際に必ず参考になります。
英語もシンプルで大変分かりやすいので是非チャレンジしてみてください。
3.まとめ
英語の原書をこれまで手に取られてこなかった人にはちょっと敷居が高いのよく分かります。
私も始める時は無駄にならないかとちょっと迷いました。
ただ、初めに日本語でストーリーが頭に入っているので、思ったほどは難しくないかなと思います。
今回ご紹介した本でもよいですし、既に日本語版を読まれて興味を持っている本があるようでしたら、そちらの本から手に取ってみることもお勧めします。
是非チャレンジしてみてください!