「重要度/緊急度マトリックス」について書いていきたいと思います。
・重要度/緊急度マトリックスってどうやって使うの?
多くの企業に応募して、それぞれの企業ごとの
- 進捗の管理
- TO DOの管理
- 予定の管理
など結構大変ですよね。
それこそ予定やTO DOを効率的に管理して、限りある時間を最大限活用しないとならなくなります。
そこで、重要なのが時間の使い方をどう管理するかということです。
言うまでもなく、企業の中でもプロジェクトやタスクに優先順位を設定し、限られた時間の中で、何をすべきかを検討することは極めて重要です。
今回は、優先順位を整理していかに時間を有効に使うかについて「重要度/緊急度マトリックス」を通してご紹介していきたいと思います。
コンテンツ
1.重要度/緊急度マトリックスとは?
「重要度/緊急度マトリックス」って言ったり、「緊急度/重要度マトリックス」と言ったりですが、色々な書籍やWEBサイトで紹介されています。
結構、この考え方を応用して仕事等に活用している人も多く見かけます。
この非常に有名な「重要度/緊急度マトリックス」ですが、以前大ベストセラーになったスティーブン・コヴィーが書いた「7つの習慣-成功には原則があった!」(キングベアー出版社)という書籍がありますが、ここで紹介されていた「時間管理のマトリックス」がベースになっています。
基本、コヴィーが書いていることと、「重要度/緊急度マトリックス」の使い方とは大きく違いはありません。
「重要」か「重要でない」か、「緊急」か「緊急でないか」の2バイ2のマトリックスで管理するというものです。
順に「時間管理のマトリックス」をご紹介いたします。
第一領域=重要度:高 × 緊急度:高
言うまでもなく、最重要なタスクが入る領域です。
例えば、
- 借金を迫った期日までに返さないといけない
- 今夜台風が来るので家に帰って台風対策をとる
など、ちょっと極端な例ですが、締め切りがある切羽詰まった仕事が集まる領域です。
第二領域=重要度:高 × 緊急度:低
重要度が高いけど、緊急度が低いってなに?と思う人も多いかもしれません。
分かり易い例だと、ダイエットなんかはここに分類されるかもしれません。
ダイエットしたいと思っている人にとっては、とても重要なことではありますが、すぐに結果がでないので、気持ちに余裕をもって取り組まないとならないですよね。
第三領域=重要度:低 × 緊急度:高
重要度が低いなら放っておいてもいいような気もしますが、社会人をしていると色々な仕事が発生すると思います。
例えば、無意味な会議の出席なんかどうでしょう。
とりあえず毎週実施しているけど、実施することが目的になっているような会議があったりしませんか?
こんな会議も段々減ってきていますが、時々出くわすこともあります。
こういう仕事はできればアウトソースしたいですね。
第四領域=重要度:低 × 緊急度:低
この領域は重要度も低く、緊急度も低いということで、管理すること自体が無駄なタスクが集まる領域です。
私は「断捨離タスク」と呼んでいます。
当面しなくても良いことをいつも気にしていると、本来すべきことへの注意が薄れてしまいます。
よって、人の価値観に大きく左右される領域かもしれませんが、なるべく「断捨離」するようしています。
例えば、
- 相手の暇つぶしのための夜の長電話への対応
- 意味不明のだらだらとしたLINEのやり取り
- 何となく暇つぶしで見てしまうテレビ
- 同じようになんとなく時間を潰すネットサーフィン
など、思い出してみると、結構無駄な時間を過ごしていることは少なくないです。
2. 重要度/緊急度マトリックスの使い方
経営コンサルタントは、これを企業の活動に当てはめて、優先順位付けを行い、企業の日々の活動のアドバイスを行っています。
ただ、重要度も緊急度もそれぞれ「尺」の違いがあるので、解釈には色々な意見が出てくると思います。
今回は、それを承知の上で、紹介させていただきます。
第一領域=重要度:高 × 緊急度:高
これは言うまでもなく、緊急事態です。
- 銀行でシステム障害が発生して、預金が引き出せない
- 空港の管制塔のシステムに異常があって、飛行機が着陸できない
- 工場の生産ラインに問題が発生して、大規模案件の受注の納品が大幅に遅れそう
など重要度や緊急度のレベルこと違いはあれ、緊急かつ重要な案件はありますよね。
第二領域=重要度:高 × 緊急度:低
分かり易いものとしては、
- 中長期的なM&A案件の発掘
- 基礎研究開発での新しい成果
- 人材の育成や将来の経営者候補の発掘・育成
急ぎでないけれど、手を抜くと後々影響が出てしまう仕事とか結構ありますよね。
このような仕事は、目先の投資対効果だけではなく、中長期の視点での業務の遂行が求められます。
第三領域=重要度:低 × 緊急度:高
中々具体的に説明が難しいのですが、誤解を恐れずに言うと、
- 期日が迫っている会食
- 期日が迫っている事務処理の締め
- 余り重要でない日々のメールや電話への対応
など、企業の中では、しなくても良いけど、大人として対応しなければならない仕事が結構あります。
先に書いたように、できればアウトソースして、仕事を平準化して、有効な時間を作りたい領域です。
第四領域=重要度:低 × 緊急度:低
先に挙げた、
- 意味のない会議のための準備
- それにあたっての議事録の作成
などがここにあたります。
そもそも、意味のない会議をやめれば、そのための膨大な資料の準備もなくなれば、誰も読むこともない議事録の作成に時間をかける必要もなくなります。
3. 他にもある優先順位の考え方
経営コンサルタントが、戦略や基本構想を策定して取り組みの優先順位をつける時に使っているフレームワークが、「業務の改革の期待効果」×「業務の改革の困難度」のマトリックスです。
経営コンサルタントが、クライアントのプロジェクトの優先順位を決める時によく使います。
それぞれの尺度は提供的に評価できるように決めますが、まずは、効果が大きくて取り組みやすいところから始めましょうという考え方です。
企業の変革は、どうしても時間と労力がかかります。
現行維持バイアスという行動経済学の考え方もありますが、新しい働き方にはなかなか変わりません。
そこで、まずはすぐに効果が出る領域でチェリーピッキングするのです。
上の図の「業務改革の投資」対「業務の改革の期待効果」は、言うまでもなく費用対効果です。
いつ果実を刈り取れるのかを考慮無く、何から実施すべきか分かり易く説明するには、最もシンプルな2×2です。
「投資に対して効果が高い領域から始めましょう」というだけです。
これは、自社として実現したいことと、市場のニーズの関係で判断する場合です。
ベンチャー企業だと、自社の取り組みとして、実現したいことが優先されることが多いですが、一方で、それが新しい市場を生むというダイナミクスにつながります。
4.まとめ
この優先順位付けのフレームワークは色々なタイプがありますが、クライアントの置かれている状況や、担当しているプロジェクトのイシューの性質により、何を選択すれば良いかが大きく変わります。
その点では、この優先順位付けのフレームワークの選択のスキルは、コンサルタントとしては極めて重要なスキルになります。
クライアントのマネジメント層が納得して、次にプロジェクトをつなげて、クライアントを変革し、クライアントの成功を実現するのが、経営コンサルタントの重要な役割だからです。
今回紹介した「重要度/緊急度マトリックス」のベースでもあるスティーブン・コヴィーが書いた「7つの習慣-成功には原則があった!」(キングベアー出版社)は是非読んでみてください。