【VRIO分析】とは?基礎知識と読み方、使い方!

ななみ
ななみ
こんにちは。
「VRIO分析」について書いていきたいと思います。
・VRIO分析ってどんなフレームワークなの?
・VRIO分析ってどうやって使うの?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!

コンサルティング会社を目指している人から、「コンサルの面接官ってどんなこと聞いてくるの?」とよく質問されます。

いくら事前に用意しても、想定しない質問されることも多く、呆気に取られて頭の中が真っ白になってしまう人も多いようです。

そうならないための一つの対策として、次の4つのポイントを常に頭の中に入れておくと良いでしょう。

  • 人自身が貢献できる価値ってなんだっけ?
  • 他の人と違って自分にしかできないことはなにかな?
  • 結構、勉強したから卒論テーマは他の人にはなかなか負けないかな?
  • スキルアップのために、毎日継続してやってるかな?

「なぜこの4つなの?」と思われたあなた、是非、最後までこの記事を読んでみてください。

では、今回は企業を分析・評価するフレームワークである「VRIO分析」について紹介していきたいと思います。

1.VRIO分析とは?

他のフレームワークに比べると、VRIO分析はそんなに耳にしない言葉だと思います。

ジェイ・バーニーが提唱したフレークワームです。

以下の頭文字から名付けられたものです。

・Value(価値)

・Rarity(希少性)

・Imitability(模倣可能性)

・Organization(組織)

「VRIO」の観点から、企業を分析しようというフレームワークです。

VRIO分析で着目するのは企業の経営資源です。

VRIOの中身に触れていきたいと思います。

Value:価値

その企業の保有する経営資源やケイパビリティは、その企業が外部環境における脅威や機会に適応することを可能にするか。

ケイパビリティとは?
企業が全体として持つ組織的な能力、あるいは、その企業が得意とする組織的な能力のこと。
(例:効率性、スピード、高品質等)

Rarity:希少性

その経営資源を現在コントロールしているのは、ごく少数の競合企業だろうか。

Imitability:模倣可能性

その経営資源を保有していない企業は、その経営資源を獲得、あるいは開発する際にコスト上の不利に直面するだろうか。

Organization:組織

企業が保有する、価値があり稀少で模倣コストの大きい経営資源を活用するために、組織的な方針や手続きが整っているだろうか。

2.バーニーの4つの質問とは?

バーニーは、この「VRIO」の観点で質問していき、企業の持つ競争優位性を評価しようとしています。

  1. The question of Value
  2. The question of Rarity
  3. The question of Imitability
  4. The question of Organization

この4つの問いかけをするのですが、それをフローチャートにしてみるとこんな感じになります。

図 「VRIO分析」4つの質問

<図 「VRIO分析」4つの質問>

価値はありますか?
→NOであれば、企業としての競争力は劣っています。

希少性はありますか?
→NOであれば、競争は均衡しています。

他社に模倣される可能性は低いですか?
→NOであれば、模倣されるまでは、一時的に競争優位です。

組織として経営資源を活用するための仕組みはありますか?
→NOであっても、競争優位は当面保てます。
→YESであれば、経営資源を最大活用し、ある程度永続的に競争優位を保てます。

このような形で、企業の競争優位を評価していきます。

特に、最後の「経営資源の最大活用と持続的な競争優位」の実現は、企業にとってとても重要な意味を持ちます。

「CMM」「CMMI」という組織能力の成熟度を評価するフレームワークがあります。

CMMIでもその最高のレベル5の「最適化」では、「継続的なプロセス改善が可能になっている」ということが定義されています。

つまり、企業には経営資源を最大限に活用しつつ、継続的に自らの業務プロセスを改善し、持続的な競争優位を確保し続けることが求められているのです。

3.VRIO分析の使い方

このフレームワークも結構シンプルです。

他のフレームワークにも共通しますが、全体的に過去~現在を分析するツールが多いです。

特に、現状の一時点のスナップショットのデータに基づいて分析するものがほとんどです。

経営コンサルタントは、もちろん現状についても分析し、現状の課題を抽出します。

ただ、重要なのは将来とるべき、あるべき姿はどういうものかということです。

そこで、一つ「VRIO」の使用例を紹介します。

※実際にはもう少し、色々な変数に分解するのですが、このブログではイメージを紹介します。

図 「VRIO分析」のフレームワークのイメージ

<図 「VRIO分析」のフレームワークのイメージ>

①評価対象のリソースを決める

ここでは、KOPT分析等のフレームワークを使い、分析する対象の経営資源を特定します。

これも、他のフレームワーク同様ですが、事業とか特定のモデルとかを対象とします。

企業全体を見るということは、かなり至難の業です。

※KOPT分析については以下の記事を参考にして下さい

【KOPT】とは?基礎知識とフレームワーク活用法

②評価対象の現状を評価する

「VRIO」の観点で経営資源を評価します。

営業を例にとると

  • 案件管理
  • 営業活動
  • 営業マネジメント

など、より詳細な単位で評価します。

その上で、現状の評価としての課題を整理して行きます。

③あるべき姿を整理する

あるべき姿は、大抵分析に先立ち、仮説として設定していることが望ましいです。

VRIO分析の段階では、課題を出すことを中心に、あるべき姿を定義する前に実施していることも多いです。

④ギャップを考える

現状とあるべき姿の間にどんなギャップがあるのかを考えます。

このギャップがあまりにも大きいようなら、仮説のあるべき姿を見直す必要もあるかもしれません。

⑤施策を考える

現状とあるべき姿のギャップを埋めるために何をすべきかが施策です。

どのように現状の業務プロセスや情報システムをみなすべきかなど仕組みの検討を行ったりします。

4.まとめ

このシンプルなVRIO分析を使う際にも、コンサルティングの現場では、常に「過去」「現在」「未来」を意識して使っています。

VRIO分析をはじめ、分析や検討の全体のシナリオを仮説として持ったうえで、分析を進めていくよう心がけてください。

ところで、冒頭に紹介した面接に向けた4つの質問を覚えていますか?

あれは「VRIO」の応用編でした。

・ 人自身が貢献できる価値ってなんだっけ?

→「Value」
・ 他の人と違って自分にしかできないことはなにかな?

→「Rarity」
・ 結構、勉強したから卒論テーマは他の人にはなかなか負けないかな?

→「Imitability」
・ スキルアップのために、毎日継続してやってるかな?

→「Organization」

とてもシンプルな4つの質問ですが、頭に入っているかいないかで、とっさの対応にも違いが出ます。

ぜひ、色々な場面で活用してみて下さいね!