「経営コンサルの必読書厳選3選!【経営コンサルのダークサイド編】」について書いていきたいと思います。
・経営コンサル志望って親に話したら心配されたんだけど、大丈夫かな?
時々メディアを賑わす職業に「コンサルタント」があります。
「経営コンサルタント」や「金融コンサルタント」に騙されて、会社がつぶれたとか、大金を出しとられたなんてニュースがたまに流れます。
そのため、私が経営コンサルタントの仕事をしているという話をすると、経営コンサルタントの仕事の内容をあまり知らない人には危ないことに巻き込まれていないかとそれとなく心配されることがあります。
これまで、駆け出しコンサルで頑張ってきましたが、危ない場面に出くわしたことはあまりありません。
しかし、先輩の話とか聞くと「それってほんとですか?」と思ってしまうこともあります。
そこで、そんなコンサル業界のダークサイドを書いた本を紹介したいと思います。
今回は「経営コンサルの必読書厳選3選!【経営コンサルのダークサイド編】」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.経営コンサルのダークサイドって本当?
コンサルティングファームでもコンプライアンスも厳しくなり、使う企業の方もコンサルティングファームの使い方も把握され、今回紹介する本のようなダークサイドのことは起こっていないと思います。
しかし、先輩や知人のコンサルタントの人からは笑い話程度に聞いたことがあります。
そんな話からの共通項を整理して3つご紹介します。
経験の水増し
提案書等を作成する際、参加する人がどんなプロジェクトにこれまで参加したかを記載します。
しかし、どのようなコンサルティングファームでも、多種多様なクライアントの課題に対応したことがあるコンサルタントがいるわけではないです。
そこで何が起こるかという、提案書の責任者が「パートナーのAさんとBさんの名前を入れて、実績は適当に書き換えておいて」という指示が出るようです。
つまり、クライアントからのイシューに対して経験者がいないと言えないためこういうことが起こるようです。
最後には「調べたって分からないから気にしなくて良いよ!」と言われたそうです。
実績の書き換え
同業他社とのベンチマークはコンサルティングの提案の中にはよくあるケースです。
その場合、様々な業種の多様な業務についての実績が必要です。
しかし、大手のコンサルティングファームでもそういった実績データを全ての業種の全ての業務について揃えることは困難だと思います。
すると提案する際に何が起こるかというと、コンサルティング実績が無い業種や業務での実績があるように実績を書き換えるようです。
「多少のことはインターネットを調べたりすれば分かるから心配ない」と言われたそうです。
効果の水増し
これまでは提案の際の話でしたが、契約後のデリバリーでも色々あると聞きます。
継続したコンサルティング契約をもらうためには、売り上げ増やコスト削減等の効果試算が必要です。
その際に、効果を水増しするそうです。
ROI(Return on Investment)が微妙に達成できるように細工すると聞きました。
その時点までにコンサルティングファームへのコストが発生しているので、いきなりプロジェクトを止めるとプロジェクトでは何も実績が無くてもコンサルティング費用の分が赤字になります。
そのため、クライアントも赤字にならないROIの数字に引き寄せられてしまうと聞きました。
2.コンサル業界のダークサイドに関する書籍厳選3選!
そのあたりの具体的な内容を、コンサルティングファームやクライントの企業を実名で挙げ、コンサル業界のダークサイドとして著した書籍を3つ紹介していきたいと思います。
コンサルティングの悪魔―日本企業を食い荒らす騙しの手口
海外の著名なコンサルティングファームでの勤務実績がある著者が、コンサルティング業界での反省を著した本です。
日本の製鉄会社や生命保険会社等のクライアントの案件を題材にコンサルンタントの仕事のダークサイドを紹介していきます。
また、コンサルティングファームも実際に勤務していた会社が実名で書かれています。
著者が経験してきたことが、「コンサルティングの悪魔学」として紹介されます。
先に紹介したような実績の積み増しや、実際にクライアントの求めるプロジェクトを経験したコンサルタントがいても関与率ほぼゼロでも体制図に記載するとか、具体的な内容が書かれています。
ルイス ピーノルト (著)、森下 賢一 (翻訳)
徳間書店
コンサルタントの危ない流儀 集金マシーンの赤裸々な内幕を語る
モービル、ロッシュ、デュポン、ディズニーのコンサルティングを担当した著者が「この本は、一度でもコンサルタントを雇おうと考えたことのある経営者への警告の書だ」と語っています。
「そろそろコンサルタントの真実を語るべきだ」とはじめにあるように、著者であるクレイグさんの懺悔の書なのかと思います。
この本で気になる部分は、昔ブームになったeビジネスに関する記述です。
eビジネスというバズワードが全盛時代、インターネット等ITについてほとんど理解せず、eビジネス等関与したこともないコンサルタントが、eビジネスの専門家としてコンサルティング活動をしていたとのことです。
これって、今のDX(Digital Transformation)に近いと思います。
ITとかほとんど理解していないコンサルタントが、なぜかDXってが重要と言ってるのってこの本を読むと滑稽に思えます。
デイヴィド・クレイグ (著), 松田和也 (翻訳)
日経BP
申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
「私がこの本を書いたのは、経営コンサルタントとして30年も働いてきて、いい加減、芝居を続けるのにうんざりしてしまったからだ」ことがきっかけとのことです。
マサチューセッツ工科大学と同大学院を卒業し、大手コンサルティングファーム(当時)のデロイト・ハスキンズ&セルズやジェミニ・コンサルティングで活躍したコンサルタントの自叙伝です。
「戦略計画」「最適化プロセス」「業績管理システム」「リーダーシップ開発」「ベストプラクティス」等今でも聞かれる経営手法の使い方について、その根幹からひっくり返すような「告白」が記述されています。
カレン・フェラン (著), 神崎 朗子 (翻訳)
大和書房
3.まとめ
コンプライアンスも厳しくなり正直ここで紹介されているような事例はコンサルティング業界では減っていると思います。
駆け出しコンサルだからかもしれませんが、私自身もあまり聞いたことはありません。
ただ、急成長してガバナンスやマネジメントの仕組みが弱いコンサルティングファームでは近いことは起きていると時々耳にします。
企業にアドバイスを行う我々コンサルタント自身のプロフェッショナルとしての職業倫理の重要性が問われているのかなと考えています。
「紺屋の白袴」という言葉は言い得て妙です。